
龍馬は
トウモロコシ・アレルギーです。
実はこのアレルギー発覚を機に、私は愛犬の食事について考えるようになりました。
正直なところ、それまでは犬の食事に対してそう関心は高くなかったように思います。
今となっては私のほうがトウモロコシアレルギーというか、フードにその表記を見つける度に強い拒絶感と不信感を抱く始末ですが、そんな私が強く反発心を持つのが、フードメーカーのQ&Aに書かれた情報です。
まぁ、安価なフードを作るためには安価な原料を使わなくてはいけない訳で、メーカーとしては当然の言い分なのかもしれません。そういった市場論理は分からなくもない。けれど、
建前ばっかりで本質に迫った記載は一切見当たらない。見事なことですが、大手有名メーカーほど解説ページなどで声高に建前の主張をします。
犬の食につていの考え方や価値観は人それぞれですし、犬に良いと言われる論理や意見も実に様々です。けれど、どれが愛犬に一番合うのかは、実際に試してみる以外に判断できるものがありません。
ひとつの考えだけが正解ではないし、逆に言えば世の中に出回るまことしやかな情報の全てが愛犬にとっては偽りになるかもしれません。だから
単純に結論づけてしまうことは大変危険です。
現状として、犬の食育についてこれが絶対だと言いきれる理論は存在していません。だから、
それぞれの食理論を正しく理解した上で、自己責任のもと判断するしかありません。
そういったことを踏まえて、以下、某超有名ペットフードメーカーの「トウモロコシ」に対する言い分を
独断と偏見を込めて読み解いていきたいと思います。
<超有名某大手ペットフードメーカーHPより引用>
■食物アレルギーとトウモロコシ
他のペットフードメーカーの中には、トウモロコシは消化されにくく食物アレルギーの原因となる可能性があると考える会社もあります。こうした主張は正しくありません。
犬は原材料としてフードに含まれるどんなタンパク質に対してもアレルギーを起す可能性があります。アレルギーは、フードや原材料の品質が劣っているからではなく、むしろ犬が過剰な免疫反応を持っているため起こるのです。規則的にトウモロコシを含むフードを食べている多くの犬の中で、トウモロコシに対するアレルギーを起すのは極めて限られた数の犬にすぎません。
<結論>
適切に加工されたトウモロコシはとても消化に優れ、不可欠なエネルギー源として高品質な炭水化物を供給することができます。
さて、このメーカーの言い分に細かい突っ込みを入れていくことにしましょう。
(1)他のペットフードメーカーの中には、トウモロコシは消化されにくく食物アレルギーの原因となる可能性があると考える会社もあります。こうした主張は正しくありません。
トウモロコシは細かくしたって犬にとっては消化しにくい穀類です。
というか、そもそも犬たちは穀類の消化に適した消化管を持っていません!愛犬・龍馬をはじめ、トウモロコシ・アレルギーのコは私の知るだけでもかなりな数です。
食物アレルギーの原因になる可能性があると考えるのは妥当ではありませんか?
(2)犬は原材料としてフードに含まれるどんなタンパク質に対してもアレルギーを起す可能性があります。この主張は概ね正しい。けれど
、動物性のたんぱく質に比べ、植物性のたんぱく質のほうがアレルギーを起こしやすいという事実をお忘れではありませんか?
何度も重ねて申し上げますが、犬は穀類に含まれるたんぱく質の消化に向いた消化管を持っていません。だから、
犬の食性を考えればあげる必要がないものです。我が家の龍馬は現在、ほぼ穀類なし(グレインフリー)の食生活を送っています。けれど健康上、全く問題ありません。むしろ、以前に比べ体調が良く、皮膚トラブルもかなり改善した実感があります。
(3)アレルギーは、フードや原材料の品質が劣っているからではなく、むしろ犬が過剰な免疫反応を持っているため起こるのです。トウモロコシを使っているから即、粗悪品だとは言いません。安価なフードを作るためには増量剤としてトウモロコシを使わなきゃいけないってことも分かります。フードは安いものに限るという飼い主さんにとっては安価なフードは有難いものですし、それはそれでいいと思います。
けれど、失礼な言い分ではありませんか?
トウモロコシにアレルギーを起こす愛犬・龍馬は
欠陥品ってことでしょうか?
「ウチの商品はいいものなんだけど、アンタの犬がダメなだけ」と言われているようで悲しくなります。
アレルギーがあるコはお客さんにならないから切り捨ててもいいということなんでしょうが、
そんな風にアレルギーを持つコをバッサリ切り捨てるメーカーが、心から犬に愛情を持って商品開発をしているとは到底は思えません。(4)規則的にトウモロコシを含むフードを食べている多くの犬の中で、トウモロコシに対するアレルギーを起すのは極めて限られた数の犬にすぎません。本当にそうでしょうか?
トウモロコシアレルギーを発症するのが極めて限られた数の犬でしかないのなら、アレルギー疾患のコ向けに開発された殆どのフードにトウモロコシが使われていないのは何故でしょうか。龍馬は規則的にトウモロコシ入りのフードを食べ続けたために、アレルギー性の皮膚トラブルを発症しました。けれど、その当時はトウモロコシのアレルギーだとは分からず、皮膚トラブルが続く龍馬に獣医が進めた療法食を食べさせていました。
それにもトウモロコシが入っていたため症状はみるみる悪化し、皮膚トラブルだけでなくアレルギー性の胃腸炎を引き起こし、吐血・下血の大騒ぎで入院する羽目になりました。退院後もアレルギー検査を受けるまではトウモロコシ入りの療法食を食べるように獣医から指示され、その間はずっと皮膚も胃腸も最悪のコンディションでした。
このような反応が出るのは、ごく一部の限られた欠陥品の犬にしか起きないということでしょうか。(5)適切に加工されたトウモロコシはとても消化に優れ、不可欠なエネルギー源として高品質な炭水化物を供給することができます。何度も何度も言いますが、犬の体は穀類の消化に全く適していません。
肉食性の犬たちの体は、そもそも植物性のでんぷん質を必要とはしていません。それは犬の消化器系システムや消化酵素を知れば明白な事実です。
それにも関わらず、犬の食生活に穀類がどれほど必要だと言うのでしょうか?
全ての動物はエネルギー源としてブドウ糖を必要とします。これは犬も同じ。けれど犬たちは元来、肉食性の動物で、動物性たんぱく質から様々な栄養を摂ることに大変適した体をしています。
動物性たんぱく質に含まれるアミノ酸やその他物質を体内でブドウ糖に合成できる「糖新生」もその特徴のひとつで、
十分な動物性たんぱく質(40%以上)と質の良い脂質(オメガ3・オメガ6など)が摂れていれば非常に活発に行われると言われています。
要するに、
犬の体に十分な動物性たんぱく質が含まれているのであれば糖質を別のものから摂取する必要はなく、穀類を混ぜ込む必要もないのです。逆に、動物性たんぱく質がしっかり摂れていないと低血糖になります。
※植物性たんぱく質に含まれる必須アミノ酸にはばらつきがあり、犬の体に向かず消化吸収しにくいため、栄養として利用されることなく排出されてしまうことが多い。こういったことから、
トウモロコシが多く含まれたフードは動物性たんぱく質の含有量が少なく、消化が悪いということが読み取れます。高炭水化物のドッグフードは、食糞や低血糖症の原因となっている可能性が高いと言わるくらい、犬の健康には向かないものです。
高品質な炭水化物だろうが、犬の食性に合わないなら無意味なだけです。それでもなお、犬にトウモロコシが必要だと言えますか?
所詮、増量剤でしかないトウモロコシに有用性があると言えますか?※このトンデモ理論を主張する超有名某フードメーカーは、HP上の「よく寄せられる原材料についてのQ&A」でトウモロコシのほかにラム肉粉、ビートパルプ(増量剤)、鶏副産物粉、炭水化物(増量剤)、食塩、L-カルニチン、抗酸化栄養素などについても素晴らしい言い訳&建前を主張してます。どれも、犬の本来の食性に合った原料だけを使って作られたフードであればわざわさ入れる必要がないものです。
※トウモロコシ・アレルギーと一口で言っても、犬によって個体差があります。大抵はとうもろこしの芯の部分に対しアレルギーが起こると言われ、人間が食べるレベルのとうもろこしの粒の部分ならアレルギーを起こさないコもいます。けれど、龍馬のようにとうもろこし自体がほぼダメだというコもいます。
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